Facebook - 清森 義行
2020年7月31日
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1910861609050922&id=100003813040959
(以下一部引用)

【質問】
 
親しい人が亡くなると、耐え難い悲しみを感じます。その悲しみを引きずらないようにするには、どうしたら良いでしょうか。
 
【回答】
 
歳を重ねると、愛する人達との別れも、経験します。
 
特に、親しい人が突然、亡くなるようなことがあると、大変なショックに襲われます。
 
それは、人間として、当然の感情です。
 
そんな時は、感情のままにいればいい。無理して、悲しみを抑え込む必要など、ないと思います。
 
気持ちが落ち着くまで、待てばいいのです。
 
ただ、人間は感情の波が起きると、それを更に大きく波立たせようとしてしまう癖があるので、注意しましょう。
 
例えば、子供が先に亡くなってしまうのは、親として、耐え難い悲しみです。
 
だからと言って、亡くなった子供の部屋を、その時のままに残しておいたりするのは、やってはいけないことです。
 
10年も20年も、あるいは死ぬまで、その悲しみを引きずり続けるとしたら、それほど悲しく、恐ろしい人生はありません。
 
悲しみや、悔しさを抱えたままでは、私達は生きてはいけないのです。
 
どこかで気持ちを整理して、心の持ち方を変えていく必要があります。
 
仏教では、「悲しみを断ち切らない者が、なおさら苦悩に陥る。亡き人を嘆く人は、悲しみに飲まれる」という教えがあります。
 
大切な人の死に泣き崩れ、歎き悲しんでも、決して心が穏やかに晴れることはありません。
 
泣けば泣くほど、心に悲しみは、降り積もり、苦しみは、増していくばかりです。
 
泣くほどに、更に泣きたくなります。
 
泣けば、それだけ体力も消耗します。食べる気力も起きません。
 
身体から生気が失われ、やつれ、やせ衰えていきます。
 
心と一緒に身体まで、悲しみによって、破壊されていくのです。
 
悲しみの中に、埋もれたまま、出て来られなくなります。
 
しかし、自分が壊れるほど、泣いても、それが、死者のためになることはないのです。
 
何の供養にもなりませんし、全てが無駄になります。
 
お釈迦様が、そう言われているのですから、間違いありません。
 
悲しみや、恨みが、どんなに大きくても、心の中で、それを育てるようなことは、決してしないことです。
 
押し殺したりせず、どんどん感情を溢れさせていいのです。
 
そして、全てを出し切って、落ち着くまで待つことが、心を整理する一番の方法です。

浄土真宗講義【29年01月17日】②親鸞閉眼せば【信心為本.深信因果.罪悪観,大慈悲心】・清森義行